「…じゃぁ、な。」
そう言って服部の家を出た。
「おん。ほな…さいなら」
また、のないサヨナラ。それをいつもの挨拶のように軽く交わした。恋人としての最後の会話。
始まりは俺からだった。元の身体に戻った後にすぐ告げた。鈍感なあいつを口説き落とし、同じ大学に通うよう説き伏せた。喧嘩なんてしょっちゅうした。でも幸せだった。あいつも幸せそうだった。何時からだろう、あいつの笑顔に陰りができたのは。本当は気付いてたんだ。いつからそんな風に笑うようになったかも、その理由も。だてに探偵やってる訳じゃねーんだぜ?でも見て見ぬフリをしてた。その原因は俺だから。あいつに言ったら全面否定されそうだけどな…。
終わりはあいつからだった。大学も卒業して、俺は腕利きの私立探偵。あいつは新米ながら有能な刑事になっていた。就職は地元で、と前々から言っていたあいつは卒業と同時に実家に帰った。不満はあったが、不安はなかった。遠距離だったが時間があれば会っていた。昔とは違い、時間に融通がきく俺がちょくちょく大阪にいった。本来ものぐさな俺にここまでさせるなんて、あいつっていう存在が俺にとってどんなに愛しいものなのかと実感させられた。それでも確実に時間は流れてお互いが仕事に忙殺され会える時間はどんどんと減っていった。それでも愛が薄れたとは思わなかった。ただ、もう限界かもしれないと、感じただけだった…。
『なぁ、もう終わりにせぇへん?』
なにを?とは聞けなかった。互いにもう分かりきっていたから。
『…そうだな。』
努めて冷静に答えた。もっと怒りとか、悲しみとか激情がこの身を支配するかと思ったが、自分が想像していたよりも心は穏やかだった。
『お前、長男で一人っ子だもんな。』
皮肉にとられないように出来るだけ軽い調子でいった。目の前で、昔から変わらない俺の大好きな目で、でも顔は幾分か大人びた服部が穏やかに笑った。
『そうなんや。せやから、ちぃとは親孝行せなな。』
昔ならなりふり構わずお互いだけを見ていられたかもしれない。恥ずかしい話、永遠を誓ったこともある。でも俺達はお互いがいればそれでいいと言えるほど子供ではなかった。
『そうだな。……結婚式には呼んでやるよ』
俺は目線を逸らして早口にそういった。直ぐに気持ちを切り替えられるほど、大人でもなかった。
『ははは…。先言われてしもーたな。』
そう言って服部の家を出た。
「おん。ほな…さいなら」
また、のないサヨナラ。それをいつもの挨拶のように軽く交わした。恋人としての最後の会話。
始まりは俺からだった。元の身体に戻った後にすぐ告げた。鈍感なあいつを口説き落とし、同じ大学に通うよう説き伏せた。喧嘩なんてしょっちゅうした。でも幸せだった。あいつも幸せそうだった。何時からだろう、あいつの笑顔に陰りができたのは。本当は気付いてたんだ。いつからそんな風に笑うようになったかも、その理由も。だてに探偵やってる訳じゃねーんだぜ?でも見て見ぬフリをしてた。その原因は俺だから。あいつに言ったら全面否定されそうだけどな…。
終わりはあいつからだった。大学も卒業して、俺は腕利きの私立探偵。あいつは新米ながら有能な刑事になっていた。就職は地元で、と前々から言っていたあいつは卒業と同時に実家に帰った。不満はあったが、不安はなかった。遠距離だったが時間があれば会っていた。昔とは違い、時間に融通がきく俺がちょくちょく大阪にいった。本来ものぐさな俺にここまでさせるなんて、あいつっていう存在が俺にとってどんなに愛しいものなのかと実感させられた。それでも確実に時間は流れてお互いが仕事に忙殺され会える時間はどんどんと減っていった。それでも愛が薄れたとは思わなかった。ただ、もう限界かもしれないと、感じただけだった…。
『なぁ、もう終わりにせぇへん?』
なにを?とは聞けなかった。互いにもう分かりきっていたから。
『…そうだな。』
努めて冷静に答えた。もっと怒りとか、悲しみとか激情がこの身を支配するかと思ったが、自分が想像していたよりも心は穏やかだった。
『お前、長男で一人っ子だもんな。』
皮肉にとられないように出来るだけ軽い調子でいった。目の前で、昔から変わらない俺の大好きな目で、でも顔は幾分か大人びた服部が穏やかに笑った。
『そうなんや。せやから、ちぃとは親孝行せなな。』
昔ならなりふり構わずお互いだけを見ていられたかもしれない。恥ずかしい話、永遠を誓ったこともある。でも俺達はお互いがいればそれでいいと言えるほど子供ではなかった。
『そうだな。……結婚式には呼んでやるよ』
俺は目線を逸らして早口にそういった。直ぐに気持ちを切り替えられるほど、大人でもなかった。
『ははは…。先言われてしもーたな。』
そう言った服部の声色にも切なさが含まれていた。それが逆にもう終わりなんだということを、俺に再度実感させた。
『・・・じゃぁ、な。』
『おん。ほな・・・さいなら。』
長いは無用だ。俺達は服部の家の玄関で別れた。本当に……サヨナラだ。
「……どう、かな?」
いつもは勝ち気な幼なじみが純白のドレスに身を包み頬を染めながらきいてくる。
「あぁ、最高に似合ってるぜ?」
昔なら、からかっていただろうが今は素直にいってやる。
「そ、そっか…/////あり…がと。」
更に頬を真っ赤にする幼なじみに満面の笑みを送る。
服部、俺…結婚するんだぜ。
あとがき
ちょっと大人な新平を!!これは…新平的にはバッドエンド?なんとなく切ないのが書きたかったんですよ。正義感の強い少年ではいられない2人みたいなね?工藤宅はなんとなく一人っ子でも自由奔放な気がしますが、平次の家は違いそう。ってか平次がそう言うの気にしそう…。なんか、漫画とかでも描きたいですね。
『・・・じゃぁ、な。』
『おん。ほな・・・さいなら。』
長いは無用だ。俺達は服部の家の玄関で別れた。本当に……サヨナラだ。
「……どう、かな?」
いつもは勝ち気な幼なじみが純白のドレスに身を包み頬を染めながらきいてくる。
「あぁ、最高に似合ってるぜ?」
昔なら、からかっていただろうが今は素直にいってやる。
「そ、そっか…/////あり…がと。」
更に頬を真っ赤にする幼なじみに満面の笑みを送る。
服部、俺…結婚するんだぜ。
あとがき
ちょっと大人な新平を!!これは…新平的にはバッドエンド?なんとなく切ないのが書きたかったんですよ。正義感の強い少年ではいられない2人みたいなね?工藤宅はなんとなく一人っ子でも自由奔放な気がしますが、平次の家は違いそう。ってか平次がそう言うの気にしそう…。なんか、漫画とかでも描きたいですね。
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