解毒剤の副作用（後）

「・・・・・・え？」

工藤からの突然の告白。ってかこれ告白やんな？
男から告白されたのに、まったく嫌悪感がわかない。
むしろずっと聞きたくて、でも自分には無理だと諦めていた
言葉かもしれない。

「っだから。俺はおめーのことがすきなんだよ！！！」

すこしぶっきら棒に。でも一回目より力強く告げられる言葉。
改めて言葉の意味を考えて顔が熱くなる。

「で、おまえはどうなんだよ・・・・・。俺のこときらいか？」

「嫌いやない！！」

いつもの自信に満ち溢れた顔じゃない。不安そうに揺れる眼。
俺は即座に答える。嫌いなわけないやん。嫌いやったらこんなわざわざ東京までけぇへんわ。
ほな・・・・俺、こいつのことが好きなんか？

「じゃぁ、どうなんだよ・・・。」

青い瞳に見つめられ、心臓が跳ねる。

「わ、わからん・・・。」

―はぁ。工藤がため息をついた。呆れたような顔でこっちを見ている。
でもしゃーないやん！！分らんのやから！！

「ほんと鈍いよな。・・・・・まぁ知ってたけど。・・・でも、おまえ俺のこと好きだと思うぜ。」

ふっと、目を細めて綺麗に笑う。俺の心臓がまた跳ねる。
何言うてんや！！さっきまでの不安そうな慎ましい工藤はどこ行ったんや！！

「なにあほなこと言うてんや！！・・・んなわけっ」

俺の言葉は、工藤の唇のよって遮られる。

「・・・・っん・・・ふ・・・。」

工藤の舌が俺の舌を素早く見つけ出してからめとる。
いきなりのことに抵抗なんてでけへん。
なによりも、今の状況すら理解できない。
口内を工藤にいいようにされ頭がぼーっとなってくる。
なれない快感が、背筋を這い上がる。

「・・・ふ・・・はぁ。」

離された唇は唾液でできた糸がつなぐ。
まだ思考は霧の中。

「じゃ、俺が言いたいのは、それだけだから。返事はもうすこし後でいいぜ？」

工藤は満足そうに笑うと、さっさと部屋を出ていってしまう。
だんだんとはっきりしてくる思考。・・・・・・っぼん！
まさにそんな効果音がしそうなくらい一気に顔が沸騰する。
く、く・・・・・・くどぉーーーーーー？？？
もう頭の中はぐちゃぐちゃ。出来のいいこの頭ですら、今のことを
整理するのは難しくて・・・・。

「はぁ・・・・・・。」

やわらかなカーペットの上に倒れこむ。キスされた唇には
まだ、リアルな感触が残っていて。そっと手で触れる。

「ファーストキスやっちゅうねん・・・・。」

しかも、いきなりディープかいな！！
でも、なんか嫌じゃなくて・・・。むしろ・・・・・ちょっとうれしい・・・・。
おもわず、緩む頬。気付かされた甘いうずき。

「やっぱ・・・・・好きなんかな。」

自分でいった言葉がなんだか照れくさくて。
でも、彼がいった言葉をそのまま認めるのはなんだか悔しくて。

「・・・・めいっぱい焦らしたろ♪」

そう思うと、いてもたってもいられない。
とびっきりのいたずらを思いついたように胸が高鳴る。
俺は立ち上がる。何気ない顔で工藤に話しかけに行くために。
たぶん、思い切って告白したであろうあいつに、なんでもない
と言ったような顔で話しかけたらどんな顔をするだろうか？
焦るんだったら、おもろいな。
意気揚々と、階段をおりていく。
期待に胸膨らませながら。







ＥＮＤ

二人が部屋にこもっていたころの工藤（ノーマル）さんと言えば、
突然の出来事と、キッドの訪問にあたふたしていたとか・・・・・？


あとがき

話ってどうやって終わらせるんでしょう？（ぇ）
とにかく、うちのＣＰは強気(攻)×強気(受)ってことでしょうか？
そしてなによりも、えせ関西弁ですみません。いちお
調べてはいるんですが、こってこてだと読みにくいかな・・・？と
思いまして。
最後まで読んで頂きありがとうございました。