もう随分暖かくなってきた。一応羽織っていったコートが無駄になっちまったな。
カチャッ
「おかえり~」
誰もいないと思っていた家の中から自分を出迎える声がする。この東京では聞き慣れないイントネーションは
「服部!お前来てたのか。」
こいつが突然押し掛けることには随分免疫ができたものだ。服部はリビングのソファーに腰掛けたままこちらを振り返る。
「おん。もう和葉とはめっちゃ連休を満喫してきたからな~」
満面の笑みで言う。余程楽しかったのか。
俺は服部の向かい側のソファーに腰掛けた。
「そうか。それは奇遇だな。俺も蘭とのデート帰りだ。」
俺も満面の笑みで返してやる。勿論、心の底からのだ。他に意味はない。
「そうなん?そら良かったわ。そや、快斗もきてんで~。」
するとタイミングよくキッチンから快斗が顔をだす。
「あ!新一、帰ってたの?おかえり~」
帰ってたのとは酷い言い種だ。ここは俺の家だぞ。快斗は再びキッチンに姿を消し今度は3人分の飲み物を持ってきた。俺はブラックコーヒー。服部はカフェオレ。そして快斗はキャラメルマキアート。甘ったるい香りに少し眉を顰める。
「ったく、おめーも相変わらずだな。で?中森さんは?」
そう言って、コーヒーに口を付ける。温度も味も俺好み。そりゃそうだ。こいつも此処には頻繁にくる。あ!ちゃっかり、服部の横に陣取りやがったな。
「そりゃもうバッチリエスコートしてきたさ~。ガキの相手は大変だよ~」
悪態をつきながらもこいつは幸せそうに笑う。相手を大事にしてんのが伝わってくるような笑み。俺らにはそれぞれ彼女がいる。偽りない好意を向ける相手が。
「つーか。お前ら今まで2人っきりだったのか。変なことしてねーだろうな。」
目の前の2人を睨みつける。
「さぁ?どーでしょう?」
快斗が悪戯っぽく笑う。それを服部が楽しそうにみてる。俺だけ仲間外れか?
「なんや、仲間外れにされて寂しいんか?」
そう言いながら服部は俺においでおいでをする。ガキ扱いに少しムカついたが、服部の仕草が可愛かったので大人しく快斗とは反対側に腰を下ろす。俺らの関係は酷く曖昧だ。少なくともただの友達じゃないはずだ。ただの友達には欲情しねーからな。でも、大事な幼なじみ兼恋人と天平にかけるポジションじゃない。
カチャッ
「おかえり~」
誰もいないと思っていた家の中から自分を出迎える声がする。この東京では聞き慣れないイントネーションは
「服部!お前来てたのか。」
こいつが突然押し掛けることには随分免疫ができたものだ。服部はリビングのソファーに腰掛けたままこちらを振り返る。
「おん。もう和葉とはめっちゃ連休を満喫してきたからな~」
満面の笑みで言う。余程楽しかったのか。
俺は服部の向かい側のソファーに腰掛けた。
「そうか。それは奇遇だな。俺も蘭とのデート帰りだ。」
俺も満面の笑みで返してやる。勿論、心の底からのだ。他に意味はない。
「そうなん?そら良かったわ。そや、快斗もきてんで~。」
するとタイミングよくキッチンから快斗が顔をだす。
「あ!新一、帰ってたの?おかえり~」
帰ってたのとは酷い言い種だ。ここは俺の家だぞ。快斗は再びキッチンに姿を消し今度は3人分の飲み物を持ってきた。俺はブラックコーヒー。服部はカフェオレ。そして快斗はキャラメルマキアート。甘ったるい香りに少し眉を顰める。
「ったく、おめーも相変わらずだな。で?中森さんは?」
そう言って、コーヒーに口を付ける。温度も味も俺好み。そりゃそうだ。こいつも此処には頻繁にくる。あ!ちゃっかり、服部の横に陣取りやがったな。
「そりゃもうバッチリエスコートしてきたさ~。ガキの相手は大変だよ~」
悪態をつきながらもこいつは幸せそうに笑う。相手を大事にしてんのが伝わってくるような笑み。俺らにはそれぞれ彼女がいる。偽りない好意を向ける相手が。
「つーか。お前ら今まで2人っきりだったのか。変なことしてねーだろうな。」
目の前の2人を睨みつける。
「さぁ?どーでしょう?」
快斗が悪戯っぽく笑う。それを服部が楽しそうにみてる。俺だけ仲間外れか?
「なんや、仲間外れにされて寂しいんか?」
そう言いながら服部は俺においでおいでをする。ガキ扱いに少しムカついたが、服部の仕草が可愛かったので大人しく快斗とは反対側に腰を下ろす。俺らの関係は酷く曖昧だ。少なくともただの友達じゃないはずだ。ただの友達には欲情しねーからな。でも、大事な幼なじみ兼恋人と天平にかけるポジションじゃない。
だから恋人ではない。もし恋人だったら浮気だしな。必要以上の束縛はしない。でも失いたくない。だから俺らは大事な恋人をほっぽりだしてここに集う。
ちゅっ
「あ!新一ずるい!」
不意打ちで服部にキスをする。突然の事に目を見開くが、すぐに不適に笑いかけてくる。強い瞳。俺の好きな目。
「あんだよ!どうせおめーだって俺がいない間に服部にキスしてんだろ?」
まだなにか言い出しそうな快斗を半眼で睨みつけてやる。そりゃそうだけど…とまだなにかぶつぶついっている。ずりーのは寧ろお前だ。それでも怒りが頂点に達さないのは俺がこいつを認めているからだと思う。この世界でただひとりの好敵手。
「いつまでもくだらんこと言わんと、晩飯にしよーや。」
睨みあう俺らを制して勢いよく立ち上がった服部は、サッサとキッチンに行ってしまう。案外この中で一番の男前はあいつかもしれない。
「あ、ちょっとまってって!手伝うよ~」
そのあとを追うのは快斗。俺は少し前に壮絶な料理の腕前を披露してからキッチンにはほぼ立ち入り禁止にされてしまった。服部も苦手だったはずだが、いつの間にか上達していた。あのてっちりの上手い美人に仕込まれたか、快斗に仕込まれたかのどっちかだろう。後者の場合、少し腹立たしい。いや、前言撤回。物凄く腹立たしいかも。
・・・・・・・さてと、気を取り直して俺は優雅に読書でもするかな。何やらうるさいキッチンの音をBGMにしながら。今の現状を幸せに感じていることに罪悪感がないわけじゃない。でもな、ワルイことほど魅力的ってね…。
あとがき
対等な3人が書きたくて。大切な恋人だけでは飽き足らない3人…(汗
案外サバサバした関係も魅力的。
ちゅっ
「あ!新一ずるい!」
不意打ちで服部にキスをする。突然の事に目を見開くが、すぐに不適に笑いかけてくる。強い瞳。俺の好きな目。
「あんだよ!どうせおめーだって俺がいない間に服部にキスしてんだろ?」
まだなにか言い出しそうな快斗を半眼で睨みつけてやる。そりゃそうだけど…とまだなにかぶつぶついっている。ずりーのは寧ろお前だ。それでも怒りが頂点に達さないのは俺がこいつを認めているからだと思う。この世界でただひとりの好敵手。
「いつまでもくだらんこと言わんと、晩飯にしよーや。」
睨みあう俺らを制して勢いよく立ち上がった服部は、サッサとキッチンに行ってしまう。案外この中で一番の男前はあいつかもしれない。
「あ、ちょっとまってって!手伝うよ~」
そのあとを追うのは快斗。俺は少し前に壮絶な料理の腕前を披露してからキッチンにはほぼ立ち入り禁止にされてしまった。服部も苦手だったはずだが、いつの間にか上達していた。あのてっちりの上手い美人に仕込まれたか、快斗に仕込まれたかのどっちかだろう。後者の場合、少し腹立たしい。いや、前言撤回。物凄く腹立たしいかも。
・・・・・・・さてと、気を取り直して俺は優雅に読書でもするかな。何やらうるさいキッチンの音をBGMにしながら。今の現状を幸せに感じていることに罪悪感がないわけじゃない。でもな、ワルイことほど魅力的ってね…。
あとがき
対等な3人が書きたくて。大切な恋人だけでは飽き足らない3人…(汗
案外サバサバした関係も魅力的。
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